「健康体」の中に乳がんがいました

二年前に住んでいる市の集団検診で乳がんと判り、現在手術後の療養生活です。幸い初期段階で発見できて手術も部分切除で済み11日間の入院でした。

 

がんの入院でも長期入院でなく、手術した次の日には食事も普通に出るし、「少しずつ歩いてみましょう」「トイレにも行ってみましょう」と日常生活になるべく早く戻れるようなサポートがありました。当然切ったわけですから傷は痛いですし、手術した方の左腕は思うように動かないのですが、そのほかは動けるので無理なく疲れない程度に入院中でも動くように心がけていました。

 

退院してから2カ月ほどたってから合計30回の放射線治療も通院で受けました。

 

がんと判ったときは自分でも意外なほど冷静で、それでも「なんで、がんなんかになるの?」と原因探しをしていたように思います。仕事のストレス、子供のこと、家族間のイライラ、もちろん年齢的なことも含めて、何が「引き金」だったのかを探って自分なりに納得しようとしていたのかもしれません。結局のところは決定的な要因が見つかったわけではなく、事実をしっかり受け止めて次にどうするべきかを考えていました。

 

周りの知り合いには本当に心配されて(当時はまだパート勤めしていましたので)、「がんなんて、大変なことに。仕事しばらくはできないでしょ。そんなに明るくしているのはかえってこっちがつらいわ。」と言ってくれる人もいました。生命保険の請求のために連絡しても担当さんには「え、あんなに食事とか気を付けているんじゃなかったの。それでもがんなんかになっちゃったの?」と不思議がられました。

 

がんが判るまでは健康診断してもいわゆる「健康優良児」的な結果で肥満でもなく、加齢による体力不足は仕方ないとしてもまあこんなものかな、と思っていたのですが、まさかの爆弾が襲ってきたわけです。

ただ、健康診断をきちんと受けていたのは本当に良かったと思っています。今でも欠かしていません。病院での定期的な検診もですが主治医の了解を得て市の健康診断も引き続き受診しています。二年前に私の乳がんを見つけてくれた先生は何と触診で発見してくれて、今の主治医も「よく見つけてもらえましたね。マンモグラフィでは見逃していたかも」とおっしゃったくらいなのです。

 

もちろん自分では全く判らず、「がんがありますよ」と気づかされてから「あ、これ?」というくらい鈍かったのです。もっとも、あまり初期の場合はやっぱり自分では判りません。健康診断のおかげで早期に対処できました。

 

健康診断を受けることも大事、普段の自分の「健康な時」の状態をよく知っておくことも大事、そしてがんにり患してからの後も自分の体に関心をもって生活していくことが本当に大事だと痛感しています。今もまだ体力不足ですが幸い転移もなく経過良好なので、このまま良い状態を維持できるよう心がけていきたいと思います。